暴力(DV)で悩まれている方へ

お花白.jpg 暴力はいかなる場合にも決して許されるものではありません。
暴力は犯罪です
強者である男性が弱者である女性に対する人権侵害です。

夫がどんなことを言おうと悪いのは、暴力を振るう側です。
あなたは被害者です。

絶対に自分に原因があるなどとは思わないでください。

相手が変わってくれると信じたい気持があるかもしれません。
しかし、家庭内暴力は再び繰り返されるのです。

しかも、どんどん激しくなっていくことが知られています。
暴力は繰り返されます。

また、家庭という一番身近な場所で、暴力を見ているあなたの子供も被害者になりうるのです。
暴力のある家庭の中で育てられることは、子供の発育に極めて重大な悪影響を及すことも知られています。

夫と離れることによって逆恨みされるのではないか、また離れた後の生活面、金銭面等の様々な不安があると思います。
暴力に屈しながら生きていくことは女性本来の生き方ではありません。

たとえ、一時的に我慢をしてやり過ごしたとしても、暴力がなくなることは、ほとんどないのです。
ご心配ごと、ご不安なことがありましたら、一人で判断して行動を起こすのではなく、第三者の協力を得てください。

弁護士が介入すると、DV夫の態度が急変し、おとなしくなることもあります
まずは、一人で悩まずに、ご相談ください。

ここでは,DVの意味をまだわからない人や,自分の配偶者・交際相手がDV加害者なのか疑っている人,自分がDVをされているとわかったけど,どうしたらいいかわからない人への手助けになるような内容をお伝えできればと思います。

1 DVの定義と種類
2 なぜDV加害者は暴力を振るうのか(DV加害者の心理について)
3 どうしてDV被害者は逃げないのか?逃げても戻ってくるのか?(DV被害者の心理について)
4 DV被害で傷ついているあなたへ

DVの定義と種類

DVとは「ドメスティック・バイオレンス」の略称で,主にカップルや配偶者間などの親密な間柄に発生する暴力のことです。

DVと聞くと,まず殴る・蹴るなどの身体的な暴力が思い浮かびますが,DVは大きく5種類にわけることができます。

①身体的暴力

一番イメージしやすいDVです。
殴る・蹴るはもちろん,火傷を負わせたり,ビンタをしたり,相手に向かって怪我をするようなものを投げつけることも身体的暴力に分類されます。

②精神的暴力
大声で怒鳴りつけたり,逆に無視をする,相手の人間関係を過剰に束縛したり,相手の大事にしているものを壊すことなどが精神的暴力として挙げられます。
「モラハラ」とも呼ばれることがあります。
 ⇒精神的DV(モラハラ)について詳しく知りたい方はこちら

③性的暴力
拒絶している相手に性行為を強要する,妊娠を望んでいないのに,避妊に協力せず性行為を行う,その結果妊娠をしてしまったら中絶を要求することなどが性的暴力にあたります。
見たくないのに無理矢理ポルノ画像や動画を見せようとすることも性的暴力となる場合があります。

④社会的暴力
相手の交友関係を制限し,社会的に孤立させる行為のことです。
実家に戻らないように強く言いつけることも社会的暴力にあたります。

⑤経済的暴力
自分の給与明細を見せない,生活費が足りないと訴えても渡さない,配偶者の収入や貯金を巻き上げ浪費するなどの行為が経済的暴力です。
また,働きたいと思っているのに働かせないことも経済的暴力とされます。


なぜDV加害者は暴力を振るうのか(DV加害者の心理について)

DVの種類や定義がわかったところで,「じゃあどうして加害者は配偶者・交際相手に暴力を振るってしまうのか?」と考えると思います。

それは「暴力を振るうと,おいしい思いが出来るから」です。

なんとなくドラマや映画などでDVをする人物は「ついカッとなって手が出る」,「怒りの感情が爆発して殴ってしまう」というイメージがあるかと思います。

しかし,本当にカッとなって手が出てしまう人ならば,相手が誰であろうとも反射的に手をあげているはずです。たとえ職場の上司・同僚でも,店員さんでも,近所の人であってもです。

おそらくDV加害者はどんなにストレスが溜まっても,彼らに対しては手を出しません。DV加害者はちゃんとTPOをわきまえた行動が出来る自制心を持っているからです。

つまり,DV加害者は,配偶者や交際相手,あるいは子どもには「暴力を振るってもいい」と判断して,相手を選んでDVを行っているのです。

DV加害者は,被害者を対等な人間と見ておらず,「支配できる人」だと思っています(無意識にそう思っている場合もあります)。

DV加害者はたいていの場合,被害者より収入があったり,身体的な力の差があったりなど,「勝てる」可能性が高いため,暴力に訴えます。

また,暴力を振るっても「収入がないから,自立する力がないから逃げないだろう」と考えるため,暴力を選ぶことが出来るのです。そして被害者はこれ以上暴力を受けたくない一心で,我慢して加害者の言うことを聞いてしまいます。

暴力を振るえば,簡単に相手が言うことを聞かせてしまえるのですから,加害者にとってこれほどおいしいことはありません。支配欲を満たすことも出来ます。そして暴力を振るっても相手は逃げないと思っているので,加害者にとってデメリットは全くありません。

こうして,DV加害者は力の差を盾に,被害者に言うことを聞かせるために暴力を振るうことを「積極的に選択」しているのです。

どうしてDV被害者は逃げないのか(DV被害者の心理について)

DVを受けている人を端から見ていると,「殴られるのが嫌だったら,逃げてしまえばいいのに」,「逃げてもどうしてまた戻ってしまうのだろう」と思う方も多いでしょう。被害者自身でも,「どうして?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

DV被害者が加害者から逃げられないのは,下記のような理由が考えられます。

①加害者に「逃げるな」と脅されている
「結婚したんだから,そんな簡単に家庭を捨てるな」,「誰かに相談したらどうなるかわかっているのか」など,加害者に脅されている可能性があります。

日常的に暴力を振るわれている身からすれば,逃げたらどうなるかは考えるまでもありません。命の危険さえあるでしょう。

また,一度逃げれば相手との縁が切れるかと言えばそうではありません。
実家に逃げたとしたら実家に押しかけてくるでしょう。友人の家に逃げたとしたら,心当たりのある家に手当たり次第に押しかけるでしょう。

DV加害者は,手軽に言うことを聞かせることができる,自分の支配欲を満たしてくれる相手をそう簡単には手放しません。

被害者はそのことを身にしみてわかっているので,逃げることを選択できないのです。

②周囲に頼れる人がいない

DVの被害を家族・知人に訴えても「結婚したら多少なりともそういうところはある」,「わがままを言ったらダメだよ」等,我慢を強いられる可能性があります。

被害者はただでさえ,度重なる加害者からの暴力による支配で,正常な判断力を失いかけているのに,信頼できる周囲からもそのような言葉をかけられたら「そんなものなのかな」と思ってしまうことは想像に難くありません。

また,結婚や相手の仕事に伴う引っ越し・転勤等で物理的に周囲に頼れる人がいない場合もあります。

そのような場合には「婦人相談所」や「DVシェルター」などの公的機関に頼る方法があるのですが,被害者の心が疲弊しきっていて,それらに頼るという考えさえも思い浮かばないことも考えられます。

③金銭的な心配がある
育児の負担が大きくて,働きに出られないことや,パートやフルタイムで働こうとしても加害者に「働いても家のことをおろそかにするな」,「家事の負担は全部お前だからな」などと言われ,逃げられるほどの金銭が手元にない場合があります。

また,収入があっても加害者に取られてしまい,自由なお金がない場合もあります。

逃げるためにはかなりの費用が必要になると考えられます。実家や知人の家に逃げるならそこまでの交通費,ビジネスホテルに泊まるなら宿泊費,もし働いていたとしても,加害者が職場に押しかけてくる可能性もあるので,最悪の場合転職も考えなくてはなりません。

その負担を考えると「自分さえ我慢すれば・・・」と思ってしまう被害者もいるでしょう。

④「自分のせいだから」と思い込んでいる
DV被害者は度重なるDVのせいで,「罰を受けている」意識を植え付けられている可能性があります。

そもそもDV加害者は難癖をつけて「被害者に暴力を振るう理由」を作り出します
それは「作った料理がまずい」,「お前の考えは間違っている」,「掃除の仕方が雑だ」等,本当に些細なことであったり,加害者の捉え方次第で正解が変わるような内容です。

しかし,そのような理由をつけると加害者は自分の暴力が「罰を与えるための正当な行為」だと思い込むことが出来ます。反対に被害者は「これは自分が悪いことをしたから仕方がないんだ」と思い込まされてしまいます。

その結果被害者は「自分が悪いから逃げるなんて考えられない」,「相手は自分のことを思ってやってくれてるのだから」という考えに至ってしまうのです。

⑤加害者を見捨てきれない
「いつかDV癖は直る,いつかわかってくれる」と思っている人がこれに当たります。

DV加害者の行動サイクルとして,暴力行為のあとに急に優しくなることがあります(ハネムーン期,安定期と呼ばれます)。このときの加害者は,相手の行動に感謝をし,暴力の謝罪をし,愛の言葉をささやきます。

その落差により,被害者は「相手も言えばわかってくれる」,「時々手が出ちゃうけど本当はいい人なんだ」と安心します。

結果,被害者は加害者のことを見捨てきれず,逃げるという考えを失ってしまうのです。

時には「それってDVなんじゃない?」と心配をしてくれた人に対して,「あなたは本当のあの人のことがわかってない!」,「私にだけ心を開いている証拠だよ!」と助言を拒否さえする場合もあります。

⑥独り身になるのが不安
DV加害者から逃げて,一人になったとき,あるいは自分と子どもだけになったとき,独り身になる不安を感じる人もいるでしょう。

離婚を考えた場合,「自分の結婚相手の選択は間違っていた」,「今までの結婚生活は無駄だった」と認めてしまうことになります。

再婚を考えた場合,「もう二度といい人は現れないかも」と思ったり,また一からいい人を見つけ,交際を経て,お互いのことを知って・・・という長いプロセスを思い浮かべて途方もない気持ちになるかもしれません。

また,「自分だけでこの先やっていけるのだろうか」,「子どもを育てられるのだろうか」といった漠然とした不安は,逃げるための一歩を踏み出しづらくさせます。

そして,DV離婚は普通の離婚と違い,加害者が執拗に自分を探しにくることが大いにありえます。そのため居場所がバレないよう,家族や仕事,時には友人関係も断ち切って,全く縁のない地で孤立無援で生きていく可能性を考える必要があることも,被害者を一層逃げづらくさせるのです。

DV被害で傷ついているあなたへ

ここまでDVの加害者・被害者に関する内容を見て「あれ,自分が今配偶者から受けている扱いって,もしかしてDV?」と思った人もいるかもしれません。「もしかしてそうかも」が「多分そうだ」に変わった方もいるでしょう。

そのような方へのアドバイスとして「徐々に逃げ出せる準備をしましょう」とお伝えしたいと思います。

このコラムでDV加害者の心理をお伝えしたのは,「加害者の心理を理解してあげよう」とか「加害者の気持ちを踏まえた上で,生活を続けよう」という意図ではありません。

DVの被害を受けている人が,傷ついた心を回復する準備や逃げ出す準備を始めて行くに当たって,DV加害者の気持ちを慮る必要は一切ありません。

ただ,加害者の心理やDVの手口を記すことにより,「DV加害者はこうやって,悪くない被害者を悪者扱いしていくんだ。つまり自分は何も悪くないんだ。」,「DV加害者が怒るのはこんな些細な理由からだったんだ。つまり私が何しても関係ないんだ」と,被害を受けている方が,自分のことを肯定できるきっかけ・自分は悪くないんだと気づけるきっかけになればと思い,伝えさせていただきました。

DVを受けて,心や身体が傷ついている方は,まずそのケアが何よりも大切です。自分に必要な専門家の支援を得て,徐々に逃げ出す身支度を整えましょう。

心のケアが必要ならば心療内科やカウンセリングを頼ってみましょう。

けが(傷)の状態や部屋が散乱した状況を写真に撮っておいたり、どのような経緯でどのような暴力をふるわれたのかを日記等に詳しく記載しておくことが大切です。暴言を録音したテープがあればきちんと保存しておきましょう。

身体のケアが必要ならば医師に診てもらい,診断書をきちんと貰っておきましょう。

暴力がひどい場合には、婦人相談所や警察に相談して、記録に残してもらうことも考えてください。

そしていよいよ逃げ出すに当たって,法的支援が必要になったら,私たち弁護士を頼ってください。あなたが加害者から安全に距離を取れる支援をさせていただきます。



DVについて

 
無題0001.pngDV加害者,被害者の特徴等 無題0001.png避難場所(シェルター) 無題0001.png離婚手続き中の安全配慮
無題0001.pngDV離婚とお金の問題 無題0001.png保護命令 無題0001.pngDVの解決事例
無題0001.png DV被害に遭われている方の知人・親族の方へ
無題0001.pngDVの被害に遭いながら,別れられない方



 

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